KONISHIのコーポレートミッションである、「明日を、動かす。」
この言葉に想いを乗せて、未来に向けて挑戦している社員一人ひとりを紹介する企画が、「明日を、動かす人たち」です。
今回紹介するのは、コニシ産業にて勤続30年以上になる森谷光博。新卒入社時から営業職を担い、海外拠点も経験し、現在は厚木営業所にて営業職と新人教育を担っています。はじめは営業など人と接する仕事が得意ではなかったと語りながらも、長期にわたり営業の最前線で活躍する彼が、現在はどんなことを感じ、どのように仕事に向き合い、未来にどんな展望を抱いているのか……森谷の等身大のストーリーをぜひご覧ください。
本当に恵まれた仕事環境だと感じる、理由
営業職は、人付き合いが得意だからなるという印象を抱く方も多いのではないでしょうか。私自身、30年以上前にコニシ産業に新卒入社した当時、実はとても人見知りで、苦手を克服するために人と接するこの仕事を選びました。そんな理由だったので、最初は当然上手くいかないことも多かったのですが、先輩の話し方、仕草などをマネからはじめ、少しずつ関係者と人間関係を築いていきました。
私が現在もこの会社で営業ができているのは、本当に恵まれた環境で仕事をしてきたからです。ルート営業なので、お客様や仕入れ先と長く時間をかけてお付き合いしていくスタイルだったことも、一例です。
その場限りの勝負であれば話が上手い人や、安い商品を扱っている人が売れるかもしれません。しかし、コニシ産業の営業職は、関わる方々と長く続く信頼を構築していく姿勢が求められる仕事です。そのため、私が意識したのは、仕事の基礎的なところを徹底して行うことです。
例えば、質問を受けたらできるだけ早く対応する。直接会って会話している時はメモを忘れずにとり、オフィスに戻ってから見返し大事なところには印をつける。やることは紙に書いて机に置く、メールに色を付けて仕分けし忘れないようにするなど……若い人からはアナログ過ぎと思われるかもしれませんね。それでも、とにかく何でも後回しせずに早めにアクション起こす、自分で作業を止めないなどは特に意識していました。
そういった姿勢が実りはじめたのは、入社4、5年目のときだったでしょうか。お客様からいただいた言葉で「一生懸命やってくれる森谷さんにお願いしたい」とご注文をいただけたのです。他にもっと安い部品を扱っている競合企業はありましたが、私に依頼していただけたのはとても励みになり、今でもその言葉を覚えています。当時、私に営業スキルがあったわけではありません。だからこそ、足を使って何度もお客様と会うことが、唯一できることでした。それに、諸先輩方から「人間関係が大事」と口すっぱく言われていたので、質より量を自分なりに実践していたのです。
転機は2000年の春にもありました。名古屋営業所に転勤になった当時、私は結婚し子供も生まれたばかり。全く馴染みのない街でライフスタイルを1から構築していく中で、お客様でお子さんが生まれたばかりの同じような家庭環境の方と知り合いました。その方は、休みの日の過ごし方として、地元の料理屋さんや温泉地、ドライブコースなどいろいろ教えてくれて、私もそこに行ったと報告するととても喜んでくれたんです。よそ者を受け付けないという土地柄と勝手なイメージを持っていたのですが、足繁くお客様先に通えば、皆さん親切に受け入れてくれた感覚がありました。
海外で働くために、変えたこと、変えなかったこと
名古屋に8年勤めたあと、東京本社に1年、厚木営業所に3年、その後2012年から中国深圳に赴任となりました。当時、海外に行きたいとはまったく思っていなかったのですが、社内で声がかかった瞬間、スッと受け入れられたんですよね。自分でも不思議な感覚でしたが、結果的に大変貴重な経験ができました。
良かった経験はたくさんある中で、特に大変だったことを言えば、やはり言語です。現地スタッフは全員日本語ができるので、事務所の中では困ることはなかったのですが、日常生活になると赴任当初はまったく言葉が通じないし、物事の考え方も全然違うことに驚きました。
ただ、郷に入っては郷に従えの部分と、場所はどこだろうと変えない部分の棲み分けを意識しました。変えなかった点は、電話やメールで済む内容でも直接お会いすること。逆に、あえて現地仕様にしたのは、夜や休日などプライベートの時間をお客様と一緒に過ごす時間を増やしたことです。お酒のお誘いには積極的に参加したり、話をする際はカッコつけずに本音でしゃべったりと、一見大変そうに聞こえるかもしれませんが、私にとっては楽しいことでした。
例えば、休日は仕事の関係者とフットサルを仲良くやった後に飲みに行くと、心が通う瞬間が何回もありました。あと、とにかく料理は何を食べても美味しかったです(笑)。
せっかく海外に行くわけなので、その国の文化を理解して受け入れることでポジティブな経験になるのかなと思います。私にとっては、日本だったら経験できないような人間関係を築けたので、帰国後もいまだにメッセージのやり取りをしている方もいます。
若い人には、成功も失敗もたくさん経験してほしい
営業職の面白さは、注文が取れたときはもちろん嬉しいのですが、それ以上にお客様の困りごとに対応できて相手が喜んでいただいたときにやりがいを感じます。「森谷さんにやってもらって良かったよ」と言われるときなどは、この仕事の醍醐味を感じる瞬間ですね。
また当社の会社としての良さを挙げると、個々人の長所を尊重してくれるところかなと思います。社員の性格や得意不得意を決して否定することなく、自由にやらせてもらえる機会が用意されています。私自身も人見知りを克服するために営業をはじめたと冒頭で言いましたが、それから30年以上営業をやってこられたのは、自分のスタイルを活かしながら仕事ができる環境があったからです。特に営業は、お客様や仕入れ先などの関係者と距離感が近く、実際に対面で何回もお会いして信頼を構築していく仕事なので、いい意味で泥臭い行動が求められます。自分らしさを表現することが、相手とも関係性を築きやすく、その姿勢を支えてくれる会社だからこそできているのです。
そんな私にとって「明日を、動かす。」という当社のミッションは、次の世代の若い社員たちに向けてのものになります。社会人として貴重な経験をたくさん積んでいけるよう、知識や経験を引き継いでいくことで貢献したいと思っています。
そのためにも、若い人には成功も失敗もたくさん経験してほしいですね。成功はもちろん嬉しいですが、失敗の中にも学べることがいっぱいあります。むしろ、より多く失敗した人の方が伸びるとさえ思っているので、どんどんチャレンジしてほしい。私はその頑張りを支えながら、関わる人の明日を動かしていきたいです。