KONISHIのコーポレートミッションである、「明日を、動かす。」
この言葉に想いを乗せて、未来に向けて挑戦している社員一人ひとりを紹介する企画が、「明日を、動かす人たち」です。
今回紹介するのは、営業本部 取手営業所 主任の光永知恵子。女性の営業社員として、また2児のママとして働く彼女は、過去、現在のステージでどんなことを感じ、どのようにお客様と関わり、未来にどんな展望を抱いているのか……光永知恵子の等身大のストーリーをぜひご覧ください。
人と人、会社と会社の間に立つ、調整役として
現在、私は営業を担当しています。お客様先に伺い部品などを提案する、いわゆるルート営業です。
2009年の入社当初から営業職を希望していた理由は、人と人、会社と会社の間にたってコーディネートする調整役のような仕事がしたいという想いが漠然とあったからです。そのため、就活では商社や物流関係の企業を中心に受けていて、コニシ産業と出会ってからは、まず3年間は何があってもここで経験を積んで、自分の立ち位置を見つけるという覚悟で臨みました。
私がそう思えたのは、「なぜ就職するのか」人生の目的を考えていた学生時代、ある方からアドバイスをいただいたからでした。「社会に出て、日本の社会がどうやって作られているのか見た方が良い」「組織で働くとはどういうことなのかを学んだ方がいいよ」と。
大学生の頃はグローバルに活躍できる人材の育成をする国際関連の学部に在籍しており、3年時にはフィリピンに、4年の夏休みには1ヶ月エチオピアにインターンをする経験を経て、将来はNGOような組織で働きたいと思っていました。そのタイミングでNGOの方からいただいたのが先ほどの言葉です。社会人経験を積まないと世界では通用しないこともわかり、ストレートに現実を言っていただいたことに感謝すると同時に、日本の会社で頑張ろうと思えたのです。
モノづくりもお客様との信頼も、コツコツと時間をかけて
正直に言うと……社会人になって最初の3年が経っても全然満足するレベルには達しませんでした。仕事に対しても、人間としても、3年間で何もできなかったじゃないかと絶望のような感情も覚えました。
しかし、これからは何にでももっと本腰を入れて取り組まないといけないなと決意を新たにした4年目から少しずつ仕事が面白くなっていき、ターニングポイントになったのは入社して6年が経った頃。
中国のローカルメーカーの部品をお客様にPRしていこうという動きになり、試作品の段階では本当に作れるのか確証がないまま進んでいたものが、遂に本格的にプロジェクト化していくことになりました。
それからは私が主担当として、商社として物を動かすだけではなく、何度も中国に出張し、工程管理から品質管理、現地工場の業務改善まで幅広く携わらせていただきました。その過程では、上司に部品の知識を教えてもらったり、一緒に打ち合わせに参加したりと、かなりフォローしてもらいながらも、最終的にはお客様に提案した部品を本採用していただくことができました。
中国のローカルメーカーが日本のお客様が望む物を作るというプロジェクトに携われたこと、お客様にしっかり品質を見ていただきご採用していただいたこと、入社6年目の頼りない私に重要な仕事を任せてくれた会社や上司にも、全てに感謝を抱きました。そして、自分の中でも、一段階レベルがアップしたと初めて感じることができました。
私がこの仕事をしていて一番嬉しいのはやっぱり部品を採用していただいた時。提案しても、すぐに「はい、採用です」とはならない業界なので、何度も何度も試作品を作り、評価し、改善し、時間をかけてお客様との信頼関係を作っていく必要があるからです。だからこそ、努力が実ったときのやりがいは格別です。
男女関係なく、自分“らしさ”を大切にする
私は「正しい努力と継続は報われる」という言葉を信じたいなと思っています。中学生の時に、継続は力なりという言葉をおっしゃっている先生がいて、最初はその言葉がいいなと感じて習い事などを続けていました。しかし、社会人になってからは、ただ続けるだけではだめで、間違った方向に向かって続けていても何も発展しないケースもあると知ったのです。そこで、正しい努力を続けることでより効率的に報われる未来が作れるのだと、自分の中で考え方が変化していきました。
例えば、私は報連相を密に行うタイプで、この案件はいつ誰に会うかなどのTODOリストをつけることや、仕事のやりとりの履歴を残すこと、スケジュール管理を緻密に行うことなどが好きで、これは自分のために行っています。しかし、結果的にお客様や一緒に働く仲間のためになることも多いので続けているのです。
社内では男性の営業がほとんどですが、緻密なやりとりやフォローは女性の方が得意なのかもしれません。もちろん人にもよりますし男女の違いを語る時代ではないのですが、私は“らしさ”を活かすことも大事だと思っています。メールはその日のうちに一言でも返し読んだよという意思表示をしたり、メールのやりとりの最後は相手への敬意として「ありがとうございました」と私でやりとりが終わるように意識するなど、些細で目立たないことかもしれませんが気を付けています。小さな気遣いは周りが男性だろうが女性だろうと関係なく大切にしたと思っています。
商社の仕事は、男性社会の中で大きなプロジェクトでもポツンと女性一人で会議に参加するシーンも多くあります。しかし、私自身は男性だから女性だからと思って仕事をしていないので、目の前の仕事に誠実に向き合うことで道は拓けると思っています。
すべての出会いを大切にして、「明日を、動かす。」
現在、コニシ産業に13年在籍しており、その間に結婚して子どもも二人授かりました。営業社員の女性で育休を取得し、その後復帰したのは私が初めてのケースになります。妊娠中の体調不良時にはすぐに在宅勤務に切り替え、今も定時で帰れるよう、動ける範囲で働ける環境を会社に整えていただいたことにはとても感謝しています。
上司が「復帰を待っているよ」と言ってくれたことや、私自身も育休後も職場に戻りたいと思えたのは会社の人間関係が良かったからで、これからも働くことで恩返しをしていきたいと思っています。
最後に、コニシ産業は「明日を、動かす。」という言葉をミッションとして新たに掲げました。私は本保社長のこの想いにとても共感しており、この言葉の前に入る「すべての出会いを大切にする」というメッセージも心に染みています。まずは家族、そして社員など、身近なところを大切にするからこそ、いい仕事ができるのかなとも思っているからです。
大学時代に海外のNGOの方に言われた、「日本の社会を学ぶこと」「組織で働くことを学ぶこと」とはこういうことでもあったんだなと学べることが多い毎日なので、これからも自ら考え行動し、明日を動かしていく姿勢を大切にしたいですね。